荻野善史個展が始まりました

IMG_0366_Original

2025年の荻野善史個展が始まりました。今回も花器、植木鉢、陶の実(オブジェ)の新作を多数展示しています。土肌に1本1本丁寧に彫り込んだ刻文をじっとみていると、陶器が歌うように踊っているように感じます。

IMG_0360_Original

また近年作家が取り組んでいる、陶の実というオブジェのシリーズもぜひ見て下さい。そして手に取って、握ってみて下さい。作家が楽しんで作っている

IMG_0363_Original

気持ちがきっと伝わって来ると思います。今回は楽しみすぎて、桐箱を作って箱書きもしました。荻野善史らしさが溢れ出る、ユニークな箱書きにもぜひお楽しみください。

 

ギャルリ ニュアージュの個展に寄せて

今回の個展に向けて、何層も文様を積み重ね、上へ上へと向かってニョキニョキと生えるようなイメージの花入れを並べたいと思い制作しました。背の高い花入れは互いを侵食し合い、高さを競い、自然界さながらに光を求めて直立します。

私が土に彫る文様は、その形に深い意味を持ちません。何かを意識するというよりも土が導くまま、手の動くままに刻んでいる文様ですが、その文様は観る人の国籍、経験、知識、信仰、思想などを糧に芽吹き、新たな時間を生き始めます。それは既に意味を持ってしまった数多あるモチーフとしての形から離れ、近代のナショナリズムをも超えた我々が『ヒト』という一つの種であるというメッセージでもあります。また、日々の制作の中で生まれる積層を意識した文様の構成は、時間とは相対的なものであり、他者との関係性なくしては測り得ないものであるという理に繋がります。私が花入れや植木鉢などに文様を施すのは、切花や植木が我々に時間の有限と悠久を教えてくれる物であるという思いからでもあります。

初めて「陶の実」という未知の塊に触れた時に呼び起こされる異物感と懐かしさ。作品から私は消え、手に取る人の記憶の分身がスッと立ち上がって来る。私の作品は、観た人触れた人の記憶を呼び覚ます「種」でありたいと願っています。

2025年3月

陶芸家 荻野善史

 

IMG_0358_Original

荻野善史 個展

YOSHIFUMI OGINO EXHIBITION 2025

3月22日(土)〜 3月30日(日)

12:00 – 19:00

作家在廊日/ 22日(土). 23日(日). 30日(日)

休廊日/ 24日(月)

.

荻野善史Yoshifumi Ogino (陶芸家)

1981年 東京都に生まれる

2005年 明星大学日本文化学部造形美術学科陶芸専攻 卒業

2007年 埼玉県に築窯

プリミティブな紋様を中心としたオリジナルの「刻紋」の植木鉢、生活の中で生きる器を制作

現在は個展、企画展、グループ展、アートフェア等にて作品を発表

 

荻野善史のオンラインショップへ

Comments are closed.