松田靜心 個展 2023

松田靜心 個展
SHIZUMUNE MATSUDA EXHIBITION 2023

「 Rhapsody ラプソディ 」
  〜 色とリズムと火山灰 〜

2023年 3月18日(土)~ 3月26日(日)
12:00 – 19:00

作家在廊日/ 18日(土)、19 日(日)、21日(火・祝)、 24日(金)、25日(土)、26日(日)
休廊日/ 20 日(月)

 

「Rhapsody ラプソディ」 〜 色とリズムと火山灰 〜

今回のテーマ、ラプソディは、クラシック音楽の中のひとつの様式です。ガーシュインの「ラプソディ・ イン・ブルー」はクラシックとジャズの融合、リストの「ハンガリアン・ラプソディ」は故郷ハンガリー の⺠族音楽を取り入れたと言われる楽曲。英国ロックの雄、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」はオペラとロックを組み合わせた曲として有名です。 ラプソディ(日本語は狂詩曲)の語源はギリシャ時代にホメロスの叙事詩の断章を朗唱したこと、 Rahapsoidia に由来します。即興性や⺠族性を重んじながらも、一言で表せば「一定の形式を持たない、自由奔放に色々なものを組み合わせた音楽」ということになります。

絵画ではコラージュであったり、抽象と具象、矛盾と対立をひとつの画面の中で表現した対極主義かもしれない。立体なら多様な生物や幾何学的形象と人の組み合わせ、さまざまな素材とモチーフの融合かもしれない。インスタレーションの中に音や響き、音楽を持ち込んだサウンド・アートも成立しています。 それは、様々な素材や技法、技術、思いや概念さえ自由に取り込んだ表現なのです。

 

Volcanic ash works(火山灰を使った作品)のこと

自身は、抽象・具象を問わず洋画と日本画の画材も用い、12 年以上火山灰を使って制作しています。 例えば火山灰は、故郷、鹿児島の象徴的存在である桜島のものでシラスと言います(食べられません が・・・)。火山灰は水に溶けないし、煙草の灰のように風に吹かれて飛び散ることもない、どうにも始末におえないものでした。しかし、研究と技術が進んだ近年は、クレンジングクリームとして人気商品にもなっていて、これはいける!と思い、マチエールの独特さと発色の良さを実感しながら使い続けています。
火山灰は膨大なパワーを秘めた地球の息吹とエネルギーの一部。それをも内包しています。

また、箔や水干は日本画のポピュラーな素材。現代日本の鹿児島に生まれたこと。どちらもがアイデンティティであり重要なマテリアルとなっています。また、もうひとつのこだわりは、ベース全面を黒一色 で塗りつぶすことから始める、ということです。つまり、漆黒のベースの上に、全ての色がある訳です。これは、色の三原色を混ぜると黒になることに由来していますし、黒は全ての光を吸収する、つまり色彩の全てだとも言えます。また、森羅万象すべてに意味があるように、色、線、フォルム、一点、一筆、すべてに意味がある。人が闇(黒)から生まれて闇に還るなら、その闇と闇の間にあるものが、生、明るく豊かな光溢れる色彩なのだと思います。

 

Expression 表現 とは

芸術は主菜。力の源泉。水や食べ物のように人間にとって必要不可欠なもの。生きることそのものです。 生きることは辛くて厳しいかもしれない。それでも生きることの尊さや喜びを感じる時があるからこそ、 生を謳歌し全うしたい。作品の中では自由奔放でいたいと思うのです。最期まで挑戦し、解体しては創り出し次に歩み出す。自身と世界を解明していく道程の様々な作業や時々を表現したい。そう思うのです。

「抽象絵画は音楽を聴くように見る」

ジャクソン・ポロックの言葉です。

作者の思いやストーリー、概念とは別に、上下左右も無関係に自由奔放に見て感じていただき、楽しみながら、ご自身の中のアートを再発見していただければ嬉しい限りです。

2023.03.03
松田 靜心

 

▪️ 松田 靜心 Shizumune Matsuda (画家)
1960年 鹿児島県生まれ。東京在住。
東京を中心に福岡・札幌・鹿児島など国内各地で個展を開催。
グループ展は国内各地、スペイン、韓国、カナダ等多数。

 

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