ONE ART TAIPEI 2024 美藤圭

「人に関心がある。
特に立ち姿や服装に滲み出る人間くささや空気感に心惹かれる。それこそ、表情以上に。
そこには生活があり、仕事があり、景色さえも見えてくることがある。 (美藤) 」
美藤圭の「people of peace」は 頭部を、敢えて幾何学的な立体にしています。
その雰囲気や立ち姿から、観る人それぞれの大切な家族や友達、顔馴染みの誰かが思い浮かびます。
彫刻家として活動を始める以前から、街中で出会う人々の佇まいや雰囲気、
自身の生活の身近なところにある様々な風景に惹かれてきた美藤圭。
その日、その時に出会った人のちょっとした仕草、着ている服、シャツのシワ、パンツの丈、履いているスニーカーなど、
その人の持つこだわりや好きなもの、雰囲気に心惹かれて 記憶に残った「誰か」。
数年前から制作を始めた「 people of peace(平和の民)」は、作者が出会うたくさんの人たちからインスピレーションを受けて
誕生する作品です。
また、美藤圭が日々の出来事を絵日記のように彫刻する「 ヒトコマ – Hitokoma – 」は、細部のモチーフや 彫り跡も面白い作品となっています。
日常の中の出来事をテーマにしたこの作品は、コーヒーを淹れたり、本を読んだり、好きなものや 憧れるもの、
毎日見かける猫だったり、思いがけず一輪の花をもらって嬉しくて花瓶に生けた日のことなど、そのモチーフは様々。
美藤は、毎日の暮らしの中のごく普通の出来事を 絵を描くように彫刻しています。
そして、「 ヒトコマ – Hitokoma – 」には「雲」のようなモチーフが必ず登場します。
これは 美藤自身を含め、それぞれの人が「考えていること」や「思い」です。
本来は目には見えないものですが、いつも人に寄り添っている「何となく考えていること」。
その時々の思い、更には 何も考えていないという感覚までも、ふわふわと漂う「雲」の形で表現しています。
2024年の ONE ART TAIPEI では、新作の「 people of peace 」、そして作者の日常の風景を彫刻した「 ヒトコマ – Hitokoma – 」などの木彫刻作品のほか、絵画作品「さっぱり(Blue)」と「じんわり(Red)」もご紹介いたします。
美藤圭 Kei Bito (木彫刻家)
1986年 兵庫県豊岡市生まれ
専門学校 飛騨国際工芸学園 卒業
10年ほど家具製作に携わる側、独学で彫刻をはじめる
2015年 本格的に彫刻家として活動( Galerie NUAGE にて作品の発表を開始 )
2016年〜現在 Galerie NUAGE にて毎年個展を開催
2022年 豊岡若手作家展(豊岡市立美術館 / 兵庫県)
2023年 台湾アートフェア「 ONE ART TAIPEI 」出品
他、個展・企画展等 多数
現在は国内外にて作品を発表